保証人がいる場合に個人再生するとどうなるの?

借金をしている場合、自分だけではなく親族や友人知人などに保証人になってもらっているケースがあります。

 

このように保証人がいる場合に個人再生をすると、保証人にはどのような影響が及ぶのでしょうか?

 

また、保証人が個人再生をした場合、保証債務がどうなるのかも問題です。

 

そこで今回は、個人再生と保証人の関係について解説します。

 

 

保証人の地位

借金をしている場合、保証人をつけているケースがあります。

 

たとえば、銀行ローンを組む場合などに友人や知人などに保証人になってもらっていることがありますし、住宅ローンを組む場合には、配偶者に連帯保証人になってもらうことがあります。

 

そもそも保証人は、どのような立場にあるのでしょうか?

 

保証人は、主債務者が借金の返済をしなくなったときに、代わりに返済をしなければならない義務を負う人です。

 

銀行やローン会社はお金を貸し付ける際、主債務者に返済能力があるかどうかについて審査をします。そこで、充分返済能力があると考えるからこそお金を貸し付けます。

 

しかし、大きなお金を貸し付ける際や、返済期間が長期間に及ぶ場合、主債務者の資力に不安がある場合などには、担保をとっておかないとリスクがあります。

 

そこで保証人をつけることによって、リスクを軽減するのです。

 

このように、保証人は借金の担保の1種です。

 

お金を借りるときには、友人や知人、親や配偶者などに気軽に保証人になってもらうように依頼することもありますが、その場合、自分が借金の返済をしなくなったら、債権者は保証人に請求をしてしまうので、大変な迷惑をかけることになります。

 

保証人を人に頼むとき、人から頼まれたときには、くれぐれも慎重に、しっかりと検討することが大切です。

 

 

個人再生すると保証人はどうなるの?

それでは、保証人がついている借金がある場合に個人再生をすると、保証人はどうなってしまうのでしょうか?

 

個人再生とは、裁判所に申立をすることによって、借金の返済金額を大幅に減額してもらえる手続きで、債務整理の1種です。

 

たとえば、500万円の借金がある場合なら、100万円にまで減額してもらえるケースがあります。

 

このように、借金を大きく減らしてもらえるので、借金の整理方法としては大変役立つのですが、保証人がついているときに個人再生を利用すると問題が起こります。

 

保証人がいる場合にその借金を対象にして債務整理をすると、主債務者はその借金を返済しなくなります。

 

すると、債権者は、当然保証人に対して借金の支払い請求をします。

 

しかも、このとき借金残金の一括請求が行われることが多いです。

 

そこで、保証人がついている借金がある場合に債務整理をすると、保証人には大きな迷惑をかけてしまうことになります。

 

 

個人再生をすると、保証人に迷惑をかける

そうだとすると、保証人つきの借金を対象にしないで債務整理をする必要があります。債務整理をしても、保証人つきの借金以外の借金だけを対象にしたら、保証人つきの借金は自分で継続して支払いをするので、債権者から保証人に請求が行われることはないからです。

 

しかし、個人再生をするときには、すべての債権者を対象にする必要があります。

 

個人再生や自己破産には、「債権者平等の原則」という決まりがあります。これは、すべての債権者を平等に取り扱わないといけないという原則です。

 

そこで、個人再生をするときに、一部の債権者だけを特別扱いすることは認められません。もし保証人つきの借金だけをこっそり支払っていたら、個人再生での再生計画案が認可されなくなって、個人再生そのものに失敗してしまうことになります。

 

よって、個人再生をするときには、必ず保証人つきの借金も対象にしなければならず、保証人に迷惑をかけることを避けることはできません。

 

 

保証人がいる場合に個人再生する方法

個人再生をすると、どうしても保証人には迷惑をかけることになってしまいます。

 

そうだとしても、任意整理で解決できないほどの多額の借金がある場合には、個人再生をせざるを得ないことがあります。

 

このように、保証人がいる場合に、なるべく保証人との関係をこじれさせずに個人再生をする方法はあるのでしょうか?

 

この場合には、必ず事前に保証人に個人再生をすることがある予定を伝えて、対応を検討しておく必要があります。

 

個人再生をすると借金の一括請求が行われることなどと事前に伝えておいたら、そうなる前に、今の分割払いの方法を保証人に引き継いでもらうことも可能になります。

 

また、保証人と債権者が話合いをすることによって、保証債務を分割払いで支払っていくことも可能なので、そのようなことも伝えておいてあげると保証人も安心できます。

 

さらに、保証人もどうしても借金の支払いができないということであれば、保証人と一緒に個人再生をすることもできますし、自分は個人再生、保証人は自己破産をするという選択肢もとれます。

 

以上のように、事前に誠意を持って対応をしておいたら、実際に個人再生をして保証人に対して請求が行われても、保証人との関係がこじれることを避けやすいです。

 

保証人がついているときに間違った対応をすると、保証人と大きなトラブルが起こったり、一生絶縁状態になったりすることなどもあるので、くれぐれも慎重に対応しましょう。

 

 

保証人が個人再生するとどうなるの?

次に、保証人が個人再生をすると、その保証債務がどうなるのかを見てみましょう。

 

保証債務も、個人再生による減額の対象になります。

 

ただ、実際の影響は、保証債務が具体化しているかによって異なってきます。

 

わかりやすく言うと、主債務者が支払いを継続しているかしていないかによって、対応が異なってくるということです。

 

主債務者が支払をしているなら、保証債務が減額されても現時点においてはとくに影響はありません。将来にわたって主債務者が支払いを続けて完済したら、とくに問題は起こらないままですし、保証人が支払う保証債務はありません。

 

将来主債務者が支払わなくなったら、減額された範囲で保証人は保証債務を支払う必要があります。

 

これに対し、主債務者が支払いを停止しているなら、今支払をしている保証債務が直接減額されるので、大きな影響があります。

 

たとえば、500万円の借金を保証しているケースを考えてみましょう。

 

この場合、保証人が個人再生することによって、500万円の借金が100万円にまで減額されるとします。

 

そして、まずは主債務者が支払をしているとします。この場合、主債務者が支払いを継続している限り、保証債務が100万円になってもとくに影響はありません。

 

将来にわたって主債務者が返済を続けて完済したら、保証人の保証債務もなくなります。

 

ただ、将来主債務者が支払をしなくなった場合には、保証人は、100万円の限度で債権者に対して支払をしなければならないことになります。

 

次に、主債務者がすでに支払をしていないケースです。この場合、保証人は、債権者から500万円の支払い請求を受けて、支払をしているはずです。

 

そこで、個人再生をすると、この500万円の支払い義務が100万円に減額されて、それを原則3年で返済していけば良いことになります。

 

この場合、保証人は、債権者に対して月々3万弱の金額を3年間支払ったら、保証債務がなくなるので借金から解放されます。

 

以上のように、保証人の立場であっても個人再生が役立つシーンはあります。

 

今回は、保証人と個人再生の関係について解説しました。

 

保証人がついている借金がある場合には、個人再生をするときに、とくに保証人に配慮しなければなりません。

 

今回の記事を参考にして、保証人との関係がなるべくこじれないよう、上手に対応しましょう。

 

また、自分が保証人になっていて困っている場合にも個人再生で解決できる場合があるので、弁護士に相談して賢く個人再生を利用しましょう。

関連ページ

代位弁済が起こっていても個人再生で家を守れる?
住宅ローンの支払いが遅れてしまうと代位弁済が行われることがあります。その際は個人再生で家を守れるのかをお教えいたします。個人再生で苦しい借金生活から抜け出しましょう。