個人再生を利用するときには、申立後、裁判所や弁護士から「積立金」を実施するように指示を受けます。

 

個人再生の積立金とは、どのようなものなのでしょうか?また、積立金をできない場合にどのような問題が起こるのかも重要です。

 

そこで今回は、個人再生の積立金とその目的、失敗した場合にどうなるのかについて、解説します。

 

 

積立金とは

サラ金やクレジットカードなどの借金がかさんでしまった場合には、債務整理によって解決することができます。

 

債務整理の中でも個人再生をすると、借金返済額を大きく減額できますし、住宅ローン特則もあって家を守ることもできるので便利です。

 

しかし、個人再生をすると、「積立金」が必要になります。

 

積立金とはいったいどのようなものなのでしょうか?

 

積立金は、個人再生の手続き中、毎月積立をしないといけないお金のことです。

 

個人再生を申し立てると、裁判所や弁護士から、毎月積立をするように指示されます。

 

その方法は、弁護士の口座に入金することもありますし、自分で専用の積立口座を作って入金することもあります。

 

積立金ができないと、個人再生の手続きそのものに失敗してしまうこともあるので、注意が必要です。

 

 

積立金の金額は?

個人再生で必要となる積立金の金額は、人によって異なります。

 

それは、積立金は、個人再生後に債権者らに対して支払いが必要になる金額が基準となるからです。

 

たとえば、手続き後に毎月3万円の支払が必要になるケースであれば、毎月の積立金は3万円となりますし、

 

毎月5万円の支払いが必要になるケースであれば、毎月の積立金は5万円となります。

 

このように、積立金の金額が手続き後の返済額と一致する理由は、積立金の目的と関連しています。

 

 

積立金の目的は?

手続き後の返済の予行演習となる

積立金の目的は、手続き後の返済の予行演習です。

 

個人再生を行うとき、弁護士に手続を依頼しますが、弁護士が債権者に受任通知を送ったら、

 

その段階で債権者からの特則が停止しますし、債権者への支払いも停止します。

 

そして、個人再生によって再生計画案が認可されて、手続き後の返済が始まるまでの間、債権者への支払いは不要になります。

 

このように、支払いがない期間が続くと、債務者は支払いがない生活に慣れて、生活が大きくなってしまうことがあります。

 

そうなると、いざ債権者への支払いが始まったときに、対応ができずに支払いを滞納してしまうおそれが高いです。

 

そのようなことが起こらないように、個人再生の手続き中から予行演習的に積立を行って、お金を使い切らない習慣をつけさせようとするのが積立金です。

 

手続き後の返済資金になる

また、手続き中に積立をしていると、それを手続き後の返済に使うこともできます。

 

返済期間中に何らかの事情や事故があって、一時的に返済資金がなくなったときにも、積立ていたお金を使ってしばらく支払いができるので、安心です。

 

 

積立金の開始時期と期間

それでは、個人再生による積立金は、いつから始まっていつまで続くのでしょうか?

 

その開始時期と期間を見てみましょう。

 

個人再生の積立が開始するのは、裁判所に個人再生を申し立てた後です。

 

そこで、弁護士に手続きを依頼しても、申立前は積立金は不要です。書類を揃えて申し立てたら、裁判所の指示によって積立金が開始されます。

 

そして、積立金は、個人再生手続き中毎月行われ、再生計画案が認可されて手続きが終了するまで継続されます。

 

手続きが終了したら、債権者への支払いが開始するので、積立金は終わります。

 

個人再生の手続きには、だいたい半年くらいはかかるので、半年程度は積立金が必要になると考えると良いでしょう。

 

事案によってはそれより長い期間積立金が必要になることもあります。

 

 

積立金の使い道

個人再生中に積立金を行う場合、それはどのように使われるのか、説明します。これについては、

 

個人再生委員が選任されるケースかされないケースかによって異なります。

 

 

個人再生委員が選任されるケース

個人再生委員が選任されるケースでは、積立金は、個人再生委員の報酬に充てられます。

 

個人再生委員とは、個人再生の手続きに関与して、債務者と面談をしたり裁判所に方向書を書いたりする人のことです。

 

裁判所は個人再生委員の意見書を見て再生計画案を認可するかどうかの資料にするので、個人再生委員の存在は重要です。

 

東京地方裁判所では、全件個人再生委員を選任しますが、他の裁判所では選任されないことも多いです。

 

個人再生委員の報酬は、弁護士申立の事案の場合には15万円、弁護士が関与していない事案の場合(本人申立の事案)には25万円となります。

 

積立金は、まずこの報酬に充てられて、報酬を支払い終わったら後は純粋に積み立てられます。

 

あまった分は、手続き後に債務者に返還されます。

 

裁判所から債権者充てに支払をしてくれることはないので、債務者が返ってきた積立金から自分で債権者に支払いをする必要があります。

 

 

個人再生委員が選任されないケース

個人再生委員が選任されない場合には、積立金の使い道は限定されていません。

 

ただし、個人再生中は、積立金に手をつけることは許されません。

 

個人再生委員が選任されない場合、債務者は、積立専用の口座を作る必要があります。

 

その口座では、毎月積立金の金額を入金することしか許されません。出金や振込などができないということです。

 

そして、毎月積立金を入金して、裁判所にそのコピーを提出しないといけません。このようにして、裁判所は確実に積立ができていることをチェックします。

 

途中で勝手に積立金を出金して何らかの目的に使ってしまったら、再度積立ができるまで、

 

個人再生手続きが停止してしまいますし、積立ができない状況が続いたら、

 

再生計画の遂行可能性がないと判断されて、再生計画案が不認可になってしまうおそれもないとは言えません。

 

個人再生委員が選任されない場合には、手続き終了後、積立金は引き続き自分で管理することになります。

 

どのような使い道に使うのも自由ですが、返済資金に使うべきです。

 

毎月の返済に充てるのも良いですが、何らかの突発的な事情により返済ができなくなったときのため、

 

債権者への返済が終了するまで使わずに持っておくことをおすすめします。

 

 

積立金ができなくなったらどうなるのか?

それでは、個人再生の手続き中に積立金ができなくなってしまったらどのような問題が起こるのでしょうか?

 

この場合、個人再生の手続きがすすまなくなります。

 

東京地方裁判所では、積立金の支払いが出来ないと、個人再生の手続き開始決定を出してもらうことができません。

 

また、手続き開始決定があっても、その後の積立ができないと、手続きは進まなくなります。

 

どれだけ待っても積立が実施されないのであれば、再生計画の遂行可能性がないとして、手続きが途中で終了してしまいます。

 

このことは、個人再生委員が選任されないケースでも同じです。

 

毎月の積立金が実施されない限り個人再生が前に進みませんし、裁判所から何度も督促されてしまいます。

 

どうしても積立金を支払えないなら、手続き後に支払いができないということなので、再生計画案は認可されません。

 

このように、個人再生では、積立金が非常に重要なポイントとなります。個人再生を成功させたければ、確実に積立金を実施することが必須です。

 

 

確実に積立金を行う方法

それでは、確実に積立金を行うには、どのようにすれば良いのでしょうか?

 

まずは、弁護士とよく相談して、支払いができることを前提にして個人再生を利用することです。

 

支払いが出来ないのに個人再生をしても、積立が実行できずに失敗します。

 

また、申立後は、毎日の生活に注意して無駄遣いをしないことが大切です。

 

そして、給料などの入金があったら、まず最初に確実に積立金に充てて、残りから生活をするようにしましょう。

 

このように工夫すると確実に毎月積立金ができて、個人再生に失敗することがなくなります。

 

 

以上のように、積立を確実にすすめて手続きを成功させるためにも、

 

個人再生をするときには、良い弁護士に依頼して、しっかり対応を相談しながら手続きを進めてもらうことが重要です。

 

これから個人再生をしたいと考えているなら、まずは一度、債務整理に強い弁護士に相談してみましょう。

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