個人再生するとどのくらい借金が減るのか?

何件もの消費者金融やクレジットカードなどから借金をしてしまい、返済ができなくなったら債務整理によって解決する必要があります。このとき、個人再生を利用することが多いですが、個人再生をすると、どのような効果があるのでしょうか?

 

大きく借金を減らせるとも言われていますが、具体的にどのくらい減らすことができるのかが知りたい方が多いでしょう。

 

そこで今回は、個人再生をすると、どのくらい借金が減るのかについて、解説します。

 

 

個人再生の最低弁済額

個人再生をする場合には、裁判所に申立をしますが、手続きを進めていくと、最終的に裁判所によって借金を大きく減額してもらうことができます。

 

個人再生で減額できる借金は、借金の元本と利息、遅延損害金です。

 

手続き後の支払い中の利息は発生しません。

 

任意整理では、手続き後の支払い中の将来利息はカット出来ますが、それ以外の借金の元本や既に発生している利息、遅延損害金についてはほとんど減額できないので、これと比べると個人再生には大きなメリットがあります。

 

それでは、実際に個人再生をすると、具体的にどのくらい借金が減額されるのでしょうか?

 

個人再生には最低弁済額が定められています。その金額は、借金の総額によって異なり、以下のようになっています。

 

借金総額 返済額(減額後)
借金額が100万円以下の場合 減額なし(そのまま)
借金額が100万円を超えて500万円以下  返済額が100万円に減額される
借金額が500万円を超えて1500万円以下 返済額が5分の1に減額される
借金額が1500万円を超えて3000万円以下  返済額が300万円に減額される
借金額が3000万円を超えて5000万円以下 返済額が10分の1に減額される

 

このように、借金総額にもよりますが、借金が元本ごと大きく減額されることがわかります。

 

個人再生の場合、この減額された借金について、原則として3年で支払いを完了する必要があります。そこで、500万円の借金がある場合には、これが100万円にまで減額されるので、それを3年で支払うとなると、月々の返済額は28000円程度になります。

 

借金額が1000万円の場合には、200万円にまで減額されるので、これを3年で支払うとなると、月々の返済額は55000円強になります。

 

3年での支払いがどうしてもできない事情がある場合には、返済期間を5年に延ばしてもらうこともできます。

 

たとえば、借金額が4000万円あって、これを10分の1にしてもらって400万円の返済が残った場合、3年で返済をするとなると、月々の返済額は11万円以上になります。

 

これがどうしてもできないということで5年間の支払いにしてもらったら、月々の返済額は67000円弱になるので、何とか支払いを継続していくことができます。

 

このように、個人再生をすると、実際に大きく借金が減額されるので、支払いが非常に楽になります。

 

 

住宅資金特別条項を利用する場合

個人再生をすると、上記の最低弁済額まで借金が減額される可能性があります。

 

このとき住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用する場合には、計算方法に注意が必要です。

 

住宅資金特別条項とは、住宅ローンがある場合に利用できる特則であり、住宅ローンについてはそのまま支払いを続け、他の消費者金融などの借金だけを減額してもらう手続きのことです

 

住宅資金特別条項を利用すると、住宅ローンについては減額を受けません。そこで、減額の対象になる「借金総額」に住宅ローンを含めないで計算することになります。

 

たとえば、住宅ローンが3000万円、その他の借金が500万円あり、住宅資金特別条項を利用するケースでは、500万円を基準として計算します。

 

そこで、100万円に借金を減額してもらうことになり、3000万円の住宅ローンについてはそのまま支払いを継続します。

 

これに対し、住宅ローンも支払い不能になっているので住宅資金特別条項を利用せず、まとめて個人再生で減額してもらう場合には、3500万円を基準として計算します。

 

具体的には10分の1にしてもらうことにより、借金返済額が350万円になります。

 

 

給与所得者等再生の場合

個人再生の減額率は、小規模個人再生と給与所得者等再生によって異なってきます。

 

小規模個人再生は、サラリーマンだけではなく自営業者なども広く利用できる個人再生の原則的な形です。

 

これに対し、給与所得者等再生とは、サラリーマンや公務員などの継続安定した収入がある人のみが利用できる特別な個人再生手続きです。

 

小規模個人再生の場合の最低弁済額は、上記で説明した通りですが、給与所得者等再生の場合、これに足して「可処分所得の2年分以上」という要件が足されます。

 

可処分所得とは、給料の手取り額から生活費などの必要な費用を差し引いたあまりの金額のことで、専門の計算方法があります。

 

給与所得者等再生の場合には、この可処分所得の2年分については、最低限支払をしなければならないと定められています。

 

そこで、1で説明した個人再生の最低弁済額よりも可処分所得の2年分の金額が大きければ、そちらの方の金額が採用されることになります。

 

たとえば、500万円の借金がある公務員が給与所得者等再生を利用する場合、最大で100万円にまで借金を減額してもらうことができますが、可処分所得の2年分が200万円になっていたら、200万円の支払が必要になります。

 

多くのケースで、1の最低弁済額よりも可処分所得の2年分の方が大きな金額になるので、給与所得者であっても、通常の小規模個人再生を利用した方が借金を大きく減額してもらえることが多いです。

 

よって、個人再生では、給与所得者等再生が利用されるケースよりも小規模個人再生が選択されるケースの方が多く見られます。

 

 

精算価値保障原則について

個人再生での減額率を理解するとき「精算価値保障原則」について知っておく必要もあります。精算価値保障原則とは、債務者が所有する財産の価値の分については、最低限支払いが必要になるという原則です。

 

債務者が、多くの財産を所有しているにもかかわらず、それを持ったまま借金だけを大幅に減額できることになると、債権者にとって不利益が大きすぎます。また、それであれば債務者を破産させて財産を配当した方が債権者にとって利益が大きくなります。

 

このようなことから、精算価値保障原則を定めて、債務者が自己破産した場合と不均衡が起こらないようにしているのです。

 

精算価値保障原則があるため、大きな財産を持っている人が個人再生をしても、借金を大きく減額してもらうことは難しいです。

 

たとえば、借金が500万円ある人の場合、財産がまったくない人であれば、返済額を100万円にまで減額してもらうことができます。

 

これに対し、300万円の財産がある人であれば、返済額は300万円にまでしか減額してもらえませんし、財産が500万円ある人の場合には、借金を減額してもらうことはできません。

 

個人再生では、自己破産と異なり財産を失うことはありませんが、財産があればあるほど個人再生を利用するメリットが小さくなるという特徴があります。

 

 

減額された借金の支払方法

個人再生で減額された借金は、原則3年(最長5年)で返済を終える必要があります。この場合、多くのケースで3ヶ月ごとのまとめ払いになります。入金方法は、個別の債権者が指定する振込先に振り込む方法となります。

 

個々の債権者に別々に入金しないといけないので、支払い漏れが起こらないように注意が必要です。

 

このような個人再生後の支払いを完了して、ようやく借金問題が完全に解決します。

 

途中で支払いができなくなってしまったら、せっかく個人再生をして減額してもらっても意味が無くなってしまいます。

 

以上のようなことから、個人再生を利用したら、確実に返済を継続できるよう慎重に生活を送ることが大切です。

 

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